Pulau Dewata

Pulau Dewata 〜バリ島にハマって行って帰ってきたおばちゃんのブログ〜

2009年10月21日19:45 アリスの実家・神さまが降りてきた。


先週の火曜日から水曜日、プトゥの実家に1泊して、ガルンガンのお祭りを体験し、
金曜日は講義があったのでいったんデンパサールに戻りました。

土曜日からは、今度はアリスの実家にお邪魔♪
どこへ行っても歓迎してくれるバリの人々。
ありがたいです。

というわけで、今回はアリスの実家に嫁入り? してきましたので、

そのレポートですw

 




土曜日の朝、アリスのバイクで出発。
デンパサールのはずれのバビグリンを食べて、バイパスを北西に進みます。

プトゥの実家のあたりを越えて、さらに西へ。

市場を曲がって、お祭りの正装の人々でごった返している通りに入りました。
道の奥にお寺が見えます。

アリスの実家はお寺の通りにありました。

バイクを停めて、ヘルメットを外していると、「Bli~!」と叫びながらキャワゆい少女が出てきました!

Bli~! = おにーちゃん。  ・・・・妹のセプティちゃんですた。
おうちに入ると、おばあちゃんと、アリスのもう1人の妹、ウィンディちゃんがいました。
あと、犬のマルセル。

 

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おばあちゃんは、なんと92歳!
膝がちょっと痛いみたいでしたが、家族のご飯を全部作って、

お供え物もちゃっちゃと作る 元気なおばあちゃん。

アリスのご両親は、お寺のプマンク(寺守)で、すでにお寺に行っていました。


ちょっとわたしもよく理解していなのですが、↓こんなようなシステムらしいです。

バリの寺には僧侶は住んでいない。普段は、平民出身の村役人のうち品行方正の者が輪番で寺を管理する。これはプマンクと呼ばれる。
 他方、プダンダと呼ばれるブラフマナ階級(婆羅門)出身の僧侶は世襲である。特定の寺を持たず、寺の祭礼や冠婚葬祭の依頼を受けた家へ直接出向いて儀礼を執行する。その際、プマンクが助手を務めることがある。儀礼に不可欠な聖水の製造はプダンダの特権である。  

 
 
アリスのおうちは、アリスの予告通り、スデルハナ(=シンプル)なおうちでした。
 
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アリスが高校のときにつくったという、アリス家の表札w


2人の妹ちゃんたちは、きゃっきゃキャッキャとバリ語全開で

オイラに話しかけてくれます。

さっそく、ご飯を頂きました。
トウモロコシと卵の炒め物、チキン、スープ。 おばあちゃん作!
すごくおいしかったです。

やっぱりここでも同じ敷地内に住んでいる親戚が入れ替わり立ち替わりやってきて、
みんなでお祭りの準備をしたり、お祝いの言葉をかけあっています。

お寺でのお祈りのちょっとまえに、アリスのご両親がいったん帰ってきました。
お父さん、ちょうカッコいいです。

お母さんはふくよかな肝っ玉母ちゃん系。


「私たちはちょっと忙しいから、ワヤン(アリス)と

カデ(ウィンディ)とコマン(セプティ)になんでも言ってね。

私たちの家で遠慮をしてはいけない」と言われました。

お父さんもお母さんも、全身真白な正装をしてて、素敵でした。


お昼過ぎに、「海へ行くよ!」と言われ、外に出ていくと、
村中の人々が正装して、各家の前に出てきてました。


30分ほど待つと、お寺の前にトラックが来て、荷台にガムラン隊や、

バロンダンスの仮面を積み込み始めました。

トラックの荷台一杯に、正装したプマンク軍団と長老たちが乗り込み、
同じくほかのトラックの荷台にのったガムラン隊が、ガムランを演奏し始めました。

神聖な仮面と、えらい人々と、ガムラン隊のトラック3台が通りすぎると、
それぞれの家からみんなそれぞれバイクや車に乗り込んでトラックを追うように出発です。

アリスの家はちょうどお寺の通りだったのですが、
ほかの通りからもどんどん人々がわらわらと湧いて出てきて、
道中が白く正装した人々のバイクで渋滞です。

私はウィンディの後ろにお姫様ノリしてぱしゃりカメラ
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15分ほど走って、海の近くの広い駐車場に来ました。
トラックはすでについていて、仮面をみんなでおろしています。

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ここでもまた仮面と偉い人々とガムラン隊が出発するのを待って、
そのあとを追うようにみんなでビーチに降りてゆきます。
ビーチまでの道は、アリスの村のこのパレードのために警察が出て、片側通行になっていて、大渋滞たらーっ(汗)


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 壮観です・・・・・・・。



そして、ビーチでお祈り。 
私がお祭り=ウパチャラ? というと、バリ人は
「ちがう、ウパチャラじゃなくて“スンバヤン(=お祈り)だ”」といいます。

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お祈りが終ってまた道路を半分つぶしながら駐車場へ。
ガムラントラックを追っかけて、村に戻りました。

ほへー。びっくりして疲れた。 
おばあちゃんにおやつとコーヒーを頂いて休んでいると、またもや
「パレードに行くよ!」と家の前に。


さっきと同じです。

お寺方面からお坊様と、仮面と、ガムラン隊がやってきました。
 

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そのあとを追うように、どんどん道の横から正装した人々が出てきて、行進に加わります。

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お寺の周りの道道を練り歩き、日が暮れるころ、道路の祠のところでパレードは止まりました。

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アリスに「これからなにするの?」と聞くと、「神様の、踊り。」  へぇ~、すごい!たのしみ!


・・・とみると、さっきまで私と手をつないでくれていた上の妹ウィンディが気分の悪そうな顔をして
アリスにもたれかかっています。

「Capek?(つかれた?)」ときくと、 妹は答えずに、さらにアリスに抱きつきます。
アリスも首を振るだけで答えてくれなくて、妹をギュッと抱きしめて支えながら険しい顔をして立っています。

そんで「神様の、踊り。」が始まりました。


・・・・?


・・・・なんだか、テントンテントンとしずかなトーンのガムラン
ちょっと旋律が、妖しげで気味の悪い感じ。

踊りは、黒いサルと、骸骨のような仮面がヒョコヒョコと

これまた気味の悪いダンス。。。。

さっき、パレードの前、
わたしたちの目の前をこの仮面たちが通った時に、ウィンディが
「ミチ、あの仮面、こわくない?だいじょうぶ?」

と聞いてきていたので、
ウィンディは、この仮面の踊りが怖いとおもってるのかな?

・・・・なんて思いながら、


ヒョコヒョコ奇妙なダンスはなにを意味してるんだろう?

観光では絶対観られないダンスだよね、もっと見ておこう!

・・・と背伸びをして祠のほうを観ようとしたら、突然。

私の真横で
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」 と叫び声があがりました。


えっやだなにっ? 驚いて横を見ると、う、う、う

ウィンディが叫んでいる・・・!

しかも、けいれんを起こした人のように、白眼をむいて、手足がピーンと張って・・・


ほかの場所からも、同時多発的に「ぎゃあああああ!!!」と叫び声が上がっていて
その場所がワラワラしているのが見えます


ちょ、まっ、なに?! なにが どしたの?!!


アリスが、叫びながら暴れるウィンディを抱えて、観衆の中心、

仮面のダンスが行われているところに連れて行こうとしてます。

あっ、まってー・・・・あせあせ(飛び散る汗) おいてかないで~・・・
みんなが、暴れる村人をみようと後ろからどんどん押し寄せてきて、
オイラはあっちゅうまにアリスたちとはぐれ・・・・

まあ、携帯もってるから、ここでじっとしてよう。
それにしても、なにがおこったのだろう・・・?!

不安な気持ちでいっぱいになって、みんなが連れてかれたほうをつま先立ちで覗き込むと・・・、


暴れていた人々が、うつろな顔で気味の悪い仮面と一緒に踊っているのが見えました。

 

ウィンディもいるかな?と人垣の後ろから背伸びでなんとかのぞき込み、

あることに気づきました。

 

踊りの。

手足の動きが、すんげぇそろってるんです。。。。

  ザァー!! っと鳥肌がたちました。


写真、動画撮ってもいいのだろうか?とふと思いましたが、

体が動かず、ただただカタマッて 

「えええーーーーー!!!」というかんじでした。


そして、踊りがおわり、

トランスになった人々が仮面とともにどこかに連れていかれ、
観衆はわらわらと散り、

私は同じ場所に呆然と突っ立って、

今見たことを整理しよう、えーと、えーと・・・

パレードの後にウィンディが叫び、連れてかれて・・・

 

と考えていたら、

ウィンディのサンダルと腰に巻いていたスレンダンをもったアリスが
「ミチエ、置いていちゃて、ゴメネ♪」と 戻ってきました。


「ねえ、どしたの?!ウィンディや他の人たち、大丈夫なの?!

 で、ウィンディはどこ?!」

アリスが日本語上手なのをいいことに、パニックで100%日本語で問い詰める。


「神様が降りてきたの。ウィンディに来たのは初めて」  

ややドヤ顔でいうアリス。


まじっすか?! 
トランスって観光のケチャみたいに当番っぽくやってるんじゃ・・・・?
まだまだ信じられない私。

でも、「さ、かえろか!」と、街頭に照らされたアリスの顔をみて 

おいら、またもや腰ぬかしました。


はぐれてた間10分くらいだったのに。




アリスの目の下に 真黒なクマがっげっそり




「ヒャッ!ありありアリス!!あーた眼の下まっくろで!どしたよ!」 
日本語がおかしくなる私。



「アリス神様のカラダおさえたダカラ アリスもちゅかれた。」 




いったいぜんたい、

・・・・なんなんなんなん・・・・・なんなんコノヒトたち!!!








観光用のバリダンスしか観たことがなかったのですが・・・・。

意味はわからないけれど、あの音楽と踊りの不気味さ。
同じタイミングであちこちから上がった悲鳴。
ぴったり合ったダンス。
数分の間に現れた、アリスの目の下のクマ・・・・



わたしは、 神様が降りてきたんだ、と信じるしかありませんでした。



ぎょえ~。。。。




 つ~づ~く。